2008.02.07

リアルワールド

『リアルワールド』(集英社文庫) 桐野夏生

高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。ホリニンナこと山中十四子は、径庭電話を通して、逃げる少年ミミズとつながる。
そしてテラウチ、ユウザン、キラリン、同じ高校にかよう4人の少女たちが、ミミズの逃亡に関わることに。遊び半分ではじまった冒険が、取り返しのつかない結末を迎える。
登場人物それぞれの視点から語られる圧倒的にリアルな現実。
(引用)



この小説はもう何と言っていいか…。
とにかく最初から最後まで圧倒されっぱなし。
途中からページを繰る手が止まらなくなって、後半はほとんど一気に読んでしまった。

5人の登場人物それぞれの視点から物語が語られるんだけど、どのキャラにもどこか共感できる部分があって、読んでるうちにこちらの心の闇が暴かれるような、そんな妙な気持ちになる。
彼女達の持つ自意識に気恥ずかしさを感じたり、親に対する嫌悪感に共感を覚えたり、悲しくなったり、絶望したり、自分の中にある色んな感情をかき回されっぱなし。


とにかく心理描写がリアル。
これを読んでると、当たり前のことだけど、人間の気持ちとか思考って一言では言い表せない、複雑なものなんだなって改めて思ってしまう。

自分が思ってる自分の姿と他人から見たそれは全く違うものなのかもしれなくて、どちらも真実でどちらも嘘っぱちなんだろうな。

何となくそんなことを考えてしまいました。



リアルワールド (集英社文庫(日本))リアルワールド (集英社文庫(日本))
(2006/02/17)
桐野 夏生

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この記事へのコメント
「自分は他の人と違う」と
思いつつ、その隠してる自分が全部他人に
バレている…ってとこに痛烈な皮肉を感じる作品でしたね。

桐野作品の中でも好きな1冊です。
Posted by 寿司子 at 2008.02.09 18:19 | 編集
>寿司子さん

そうそう、結構痛烈な皮肉ですよね。
結構誰でも多かれ少なかれそんな気持ちを持ったことがありそうですけど。
特に思春期はそれが顕著だったり…。
そういう意味でも、相変らず視点が鋭いなと思いました。
Posted by はると at 2008.02.09 22:39 | 編集
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