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■煽動者 

この間読んだ『攪乱者』の続編。
とはいえ、登場人物は一人をのぞいて違っているし、前作は各章ごとに3人の人物が順番に主人公を務めていた連作短篇だったのに対し、今回は一人の人物に固定された長編である。

今回は組織のうちの、「兵器」を作る「細胞」が中心。
その細胞に属する8人の男女が軽井沢の研修センターに集まり、上から指示されたテーマに沿った兵器を考案し、作製する。
兵器といってもそんなに大掛かりなものではなく、今の政府をゆるがすためのごくわずかな火種になるようなもの、今回は子供に軽い食中毒を起こさせるためにじゃがいもの芽をすりつぶしてこした液体を作る。
そして子供たちが小児科に殺到し、小児科医不足に対する政府の無策ぶりを露呈させようとするという作戦。
この辺りの微妙なさじ加減は前作と同様、リアルだなぁと思ってしまう。

ところが作業中に一人のメンバーが自室で殺害されるという不測の事態が発生。
このセンターには外部の人間はもちろん、同じ組織の人間でも今回の作戦に関わっていないものは入ることができない。
その上、全員で家捜ししても他の人間が潜んでいる様子はない。
つまり、この中の誰かが犯人であるということ。

果たして犯人は誰なのか。一体何のために殺害したのか。まだ殺人は起こるのか。
その謎が明かされて行くと同時に、組織の全貌も徐々に明かされる、というお話。


前作では明らかにされなかった組織の全貌がやっと明らかに。
殺人事件に関しては意外にあっさり解決したというか、もう少しどんでん返し的な何かがあるのかと勝手に思っていたのでほんの少し拍子抜けしたものの、ぐいぐい物語に引き込まれて楽しめた。
このシリーズはこれでおしまいなのかな。
出来ればもう少し読んでみたい。

まあ、とりあえずこの著者の他の作品も読んでみよう。





煽動者煽動者
(2012/09/20)
石持 浅海

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