スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■推定少女 

初・桜庭一樹。
『私の男』もいずれ読みたいなとは思いつつも、ツイッターでおすすめしていただいたこちらの本を読みました。


母親と義父と共に暮らす中学三年生の少女、巣籠(すごもり)カナは、ある出来事のせいでずっと暮らしてきた町から逃亡する羽目になる。その矢先、路地裏のダストシュートでなぜか全裸で手に大きな銃を持ち、しかも体が凍り付いた状態で眠っていた少女を発見する。カナは記憶をなくしていた少女に「白雪」と名前をつけ、共に逃亡することになるのだが......。




SFのようであり、違うようでもあり。
結末(ちなみにこの角川文庫版には三通りのラストがある)まで読んでも、色んな読み方が出来る小説だと思う。
ただ一つ言えるのは、単なる冒険活劇ものではなく、思春期特有のひりひりするような焦燥感、大人に対する嫌悪感、でもやがて自分も大人になってしまうのだという絶望感を、これでもかと描いているということ。
だからといって暗い話では決してなく、どこか痛快というか、爽快な気分になったりもする。

巻末の高野和明さんの解説からちょっとだけ引用すると......

四十路を過ぎた男の魂は、忘却の彼方にあったはずの十代の頃に投げ飛ばされ、二人の主人公とともに迷い、苛立ち、怯み、楽しみ、悲しみ、つまりは思春期の目眩く螺旋を追体験し、大冒険を終えて本を閉じ———そして完全にマットに沈んだのだった。



もうまさにこれ。
カナたちが必死で逃亡する様子は、思春期に心の中で巻き起こるぐるぐる渦を巻くような葛藤の様子とシンクロしている気がする。

エンタテインメント小説なのでぐいぐい読ませつつも、ずっと心に突き刺さる楔を打ち込まれたような読後感のある傑作でした。





推定少女 (角川文庫)推定少女 (角川文庫)
(2008/10/25)
桜庭 一樹

商品詳細を見る





コメント

こんにちはー

傑作ですよねコレ。
読んでいる間に痛快感と懐かしさと胸の痛みが混じったわけ分からん感情が渦巻いてました。イタさというかこの感情にスイッチ入れられる作者って凄いなーって思います。

>bento_nankotsuさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。
おすすめしてもらったこの本、さっそく読んでみました。
最初主人公が自分のことを「ぼく」と言ってる時点でちょっと引いたんですが(そういうの苦手なもので)、読み進めるとそれも必然だったのかなと思えて全然気になりませんでした。
面白かったです。
桜庭一樹は他のも読んでみようと思います。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nemo1973.blog78.fc2.com/tb.php/1021-6c186b10

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。