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過去と現実 

この間の休みにふと思い立って、昔働いてた職場の辺りに行ってみた。
大学を出てすぐに就職した某スーパー。
でもどうしても自分には合わなくて、すぐに辞めてしまった。
あまりいい思い出もない。

そんな場所になぜ急に行きたくなったのか、自分でもよく分からない。
ただ、なんだか今の自分がこのままでいいのかどうか分からなくて、そこに行けば何かが掴めるような気がしたから。
あと、単純に昔の職場がどうなったか知りたいという好奇心もあったと思う。

電車で最寄りの駅まで行き、そこからバスに乗り換えて約10分。
細かいところは変わっているのだろうけど、概ね昔のままの景色が車窓に流れ、かすかに懐かしさを覚える。
古い民家や飲食店が雑然と入り乱れる中を通る細い道路を、バスは無理にその体を押し込むように走り抜けていく。
そうそう、この交差点を渡ればもうすぐだ。
そう思って前方に目をやった瞬間、僕は思わず呟いた。

「何だ、これ」

眼前には記憶の中の光景とは全く異なるそれが広がっていた。
狭くて車が2台すれ違うのがやっとだった道路は片側2車線の幹線道路に変わり、以前はなかった歩道まで整備されている。
古びた民家や町工場や田んぼが立ち並び、どこかくすんだ印象だったはずの町が、すっかり様変わりして綺麗な1戸建ての住宅が整然と並んでいる。

一瞬バスに乗り間違えたのかと思ったが、やがて目指すスーパーの店舗が見えてきて、バスのアナウンスが聞き覚えのあるバス停の名を告げたので、合っていたのだと判った。
当時は色あせた町並みの中でその綺麗な建物だけが浮き上がっていたスーパーは、驚くほど周囲に違和感なく溶け込んでいて、まるでずっと前から同じ景色だったのではないかと思えるほどだった。

軽い興奮が僕を包んでいた。
まさかこんなに変貌しているとは。
その興奮が治まってくると同時に、今度はいい知れぬ淋しさのようなものが湧き上がってきた。
当時は自分から望んで捨てたつもりだったけれど、実は捨てられたのはこちらの方だったような。
ずっと後ろにあると思っていたものが、いつの間にか自分のずっと先を行ってたような、そんな気持ち。


たぶんもうあそこには二度と行かないと思う。
けれど、この日に見た景色と、感じた気持ちはずっと忘れないんだろうなと思った。




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