スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■砂漠 

『砂漠』 伊坂幸太郎

入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン……。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で、超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく──。進化し続ける人気作家が生み出した、青春小説の新たなスタンダード! (引用)




いいなー、この小説の雰囲気。
爽やかな友情とか、いかにも大学生らしい自由さとか。
まさに青春小説と呼ぶのにふさわしい。
それでいて、ちゃんとばらまいた伏線が収束するカタルシスを味わえるところが伊坂幸太郎らしい感じ。

この小説の一番好きなところって、やっぱり登場人物がとても魅力的に描かれているところでしょうか。
ちょっと冷めてるんだけど本質的には優しい主人公・北村。
一見お調子者っぽいんだけど内面的に男っぽくてナイーブなところがある鳥井。
鳥井の中学の同級生で、実は鳥井に片想いしていた女の子・南。
他人の目を惹きつけるほどの美人なのに恐ろしく愛想がない女・藤堂。
変人だが決して根は悪い奴じゃない西嶋。

本当にみんなそれぞれ魅力的。
こんなグループが同じ大学にいたら、心の底から仲間に入れて欲しいですもん。

で、そんな4人を中心に物語は進んでいくわけです。
その物語の中心にある事件があるんですが、実はそれ自体はこの小説の主題ではないことが読んでいると分かります。
この小説が描いているのは紛れもなく青春。
もっといえば大学生の持つ独特の空気感。
もう二度と帰れないあの時間。
読んでて懐かしい気持ちになってしまいました。


あと、西嶋のセリフで個人的に強烈に印象に残ったものが。

でもね、もっと驚かないといけないのはね、一人の人間が、本気で伝えたいことも伝わらない、っていうこの事実ですよ。…(中略)…インターネットで意見を発信している人々もね、大新聞で偉そうな記事を書いている人だって、テレビ番組を作っている人や小説家だってね、やろうと思えば、本心が届くと過信しているんですよ。今は、本気を出していないだけで、その気になれば、理解を得られるはずだってね。



そうなのだ。
自分の思っていることを完璧に他人に伝えることなんて、至難の業なのだ。
うすうす分かっていたこととはいえ、改めて言われて何かショックを受けました。
小説の中の、架空の人物が言ったことだけど、これは結構至言なのかもしれないなぁと。
目から鱗が落ちたような気がしました。



砂漠(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)砂漠(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)
(2008/08/01)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る



大学は社会という「砂漠」の中のオアシスっていうのも、上手い例えですよねぇ。
ホントそんな感じ。

スポンサーサイト

I Wanna Be PINKO 

気がつけば最近、自転車から遠ざかっている。

別に自転車の乗るのが嫌いなわけじゃなく、そして自転車を盗まれたというわけでもありません。
どちらかというと自転車に乗るのは好きだし、今年買い換えたばかりの自転車はちゃんと駐輪場にあります。
ただ、何だか億劫になってしまったんです。
自転車に乗るのが。

元々自転車よりも歩く方が好きだというのもあるんですが、それとは別の理由が。
それは自分が住んでる近辺の道路が、自転車で走るのに適しているとはいえないということ。

別に道路交通法うんぬんに関わらず、自分は自転車は歩道を走るべきではないと思っていて、出来るだけ車道を走るようにはしてるんです。
もちろん、自転車専用レーンがある歩道や、車の往来が激しくて危険な場所は歩道走りますけど、それ以外の道路に関しては。

でも実際問題として、自転車は走りづらいのです。
ある意味肩身が狭いというか。

例えば交通量の多い道路で仕方なく歩道を走っていたとしても、結構横に広がって歩いてる歩行者が多い。
個人的にベルを鳴らして歩行者をどかせるのは嫌なので(法律違反だし)、すごく気を遣いながら何とか歩行者の横にスペースが出来るのを待って、それから横を通り抜けたりします。
それも自分の後ろに誰もいなければいいんですが、後ろに自転車なんかが来てたら大変。
自分のせいで後が詰まっていると思うと、後ろにいる人にまで気を遣わなくてはならないという、まさに板ばさみのような事態に。
考えただけでげんなりします。

そして車道を走ったら走ったでこれまた大変。
狭い道路で車が横を通り抜けたり、あるいは擦れ違ったりするのはかなり恐怖を感じます。
ある程度速度を落としてくれていたらいいんですが、そんな親切ドライバーばかりではありませんし。
ひどい時なんて、クラクション鳴らして威嚇までされますから(注意喚起のつもりかもしれませんが)。
それに車から見れば確かに車道を走る自転車というのは危険な存在であるわけで、そう考えると何だか申し訳ない気がしてきます。


そんなこんなで自転車から遠ざかっているのが現状。
もしかしたら自転車なんて自分には不必要なんじゃないかと思ったりもするけど、やっぱりないと不便なんですよねぇ。

しかし、今すぐ道路が改善される可能性はないし。
こうなったら性格の方を変えるしかないのかも。
もう少し図々しく生きられたら…。

ああ、泉ピ○子になりたい。

露崎再び 

このブログでも何度か取り上げたことがある、露崎春女(つゆざきはるみ)のニューアルバム『13 years』を買いました。

思えば彼女との付き合い(といってもCD買ってただけだけど)は結構長く、露崎時代に名曲「Forever in Your Heart ~あなたがいたから~」を聴いて好きになり、その後何枚かアルバムを買うもののだんだん消化不良気味な作品が多くなり徐々に興味が薄れ、Lyricoに改名してからはレンタルで済ませるようになり、ここ最近の作品はほとんど聴きもしていませんでした。

そんな僕が今回のアルバムを購入した理由。
それは名前を再び本名の露崎春女に戻したから。

いや、別に名前自体はどうでもいいんです。
ただ、再び以前の名前に戻すという行為に彼女の本気さを感じたから、というのが正確な理由といえるでしょう。

今度こそ期待に応えるアルバムを作ってくれるのではないか。
あの圧倒的な歌の上手さを活かした作品が届けられるのではないかと。

そして見事彼女はその期待に応えてくれました(偉そう)。
今回のアルバム、思った以上によく出来た作品でした。
相変らず歌唱力は抜群なのですが、それぞれの曲がそれを活かすような出来になっている。
そしてLyrico時代の迷いを吹き飛ばすかのように、今回はもろにR&B色の強いアルバムになっています。
別に自分は特別R&Bフリークというわけでもなく、どちらかといえばジャンルはどうでもいいんですが(よく分からないし)、彼女の歌声とか歌唱法はR&Bが一番合っているような気がするんですよね。
ま、あくまでド素人の意見なので、詳しい人から見たらそうでもないのかもしれませんが。

今回はもうイントロ「Keep Fallin'」からして、バリバリな感じ。
ゴスペル調っていうんですか。
あのコーラスを何重にも重ねたソウルフルな。
ああ、露崎春女が帰ってきた…。
思わずそう思いました。

その後の2曲目「The One」へのつながりも素晴らしいし、男性ボーカルとのからみがセクシーな「Love With U」もいいし、早口歌唱の「Rainy Night」もいいし、とにかく全曲いいです。
文字通り、捨て曲なしです。
何なんでしょう、この気合いの入り様は。
全10曲という若干少なめとも思える曲数も、1曲1曲の魂の籠めようのために、全く物足りなくは感じません。
彼女自身の決意表明ともとれるラスト曲「I'm Here」まで、一気に聴けます。
そしてその間、リスナーは音楽の楽しさを再認識し、幸せな気持ちに浸ることが出来るでしょう。


…若干褒めすぎた嫌いがありますが、まあ今後の更なる飛躍に期待をこめてということで。



13years13years
(2008/10/22)
露崎春女/Lyrico露崎春女

商品詳細を見る


Prototype 

ガンダムO0セカンドシーズン、第4話まで放送が終わったわけですが、思った以上に面白いです。

ストーリーがファーストシーズンよりもサクサク展開している気がしますね。
各キャラクターも、前期に比べて活き活き動いてるような。

あと、個人的に今回はエンディングテーマが好き。
石川千晶の「Prototype」という曲なんですが。

ファーストシーズンではOP・ED共に非アニメ系歌手だったのが、今回はバリバリ(かどうか知らんが)アニメ系のアーティストなんですよねぇ。
あ、今回もOPは非アニメ系のUVERworldなんですけどね。

でも自分はやっぱりアニメ主題歌はアニメ系の歌手(そういう分類があるとすれば)がいいと思うのです。
その方がアニメの世界観に合った曲が出来上がってくると思うから。
それに非アニメ系の場合、レコード会社などの力関係とか“業界”的なな裏側が垣間見えるような気がして…。
なんて、よく知らないくせに偉そうに語っちゃってますが。
でもあると思うのです。餅は餅屋、的なものが。


とにかくその点、今回の石川千晶はこれまでのキャリア的にも文句なしのアニメ系歌手。
さっきウィキペディアで見たところでは、かなりアニメ関係の音楽手がけてますし。

などと付け焼刃的な自分の知識をこれ以上披露しても仕方ないので、とりあえず曲を聴いてみてください。






やはりアニメの主題歌はこれぐらい大げさなものじゃなくては、と思う。

性分 

今日は久々にバイト先で客にキレました。
 
二十歳ぐらいの男の客だったんだけど、こっちがお釣りと一緒にレシート渡したら舌打ちして睨んでくるんですね。
その上、レシートを投げ捨てて行こうとしたんで、思わずブチッと。
 
「なんでレシート渡したぐらいで怒られなアカンの!?」と言ってやりました。
 
 
本来は客にそういうことを言うべきではないのかもしれません。
というか、なぜか日本ではそういうことになっているようです。
 
でもね、いくら客でもやっていいことと悪いことがある。
何でもはいはいと客の言うことに従う必要があるとは思えないのです。
 
確かに客が商品を買うから店に利益がもたらされ、我々の給料が出るわけで、そういう意味ではお客様はありがたい存在でしょう。
でも客が金を払う代わりに店は商品を提供する、いわば等価交換が原則のはず。
 
お客様は神様などではないのです。
 
 
こんなことを言ってる自分は甘いのかもしれません。
そしてサービス業には向いてないのでしょう。
 
それでもこの考え方を曲げるつもりは毛頭ありません。
なんてことを考えた一日でした。




【追記】
ぐはぁ、この日記、ミクシィに書こうと思ってケータイからメールで送ったのに、間違ってブログにアップしてしまった…!
一度アップしといて消すのもあれなんで、残しておきますが。
皆様も重々お気をつけのほどを(笑)。

■死者の奢り・飼育 

『死者の奢り・飼育』 大江健三郎

屍体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある抒情『死者の奢り』、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌『他人の足』、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇『飼育』、傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた『人間の羊』など6編を収める。“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。(引用)




何かこれまでに読んだことのない作家の本を読んでみようと思い、たまたまあるインタビューにおいて伊坂幸太郎が面白いといっていた大江健三郎に手を出してみました。

何となく難しいイメージがあったんだけど、いざ読んでみるとあにはからんや結構面白かったです。
この本は内容的に戦後の話ばかりで、そのせいか陰鬱なものが多く、ちょっとしんどく感じることもあったのですが、先が知りたいという欲求がページをめくらせます。
全体的な印象としては陰鬱で淫靡。
ところどころに出てくる性的表現に、生々しいエロスを感じてしまいます。

収められている6編の中で特に好きだったのが『他人の足』。

脊椎カリエスの子供ばかりが集められた閉鎖的な病棟。
そこで暮らす少年たちはみな、物理的な意味だけでなく、精神的にも閉鎖的な状況で生きている。
外の世界で何が起ころうが自分たちには無関係で、どうでもいいこと。
時々看護婦によってもたらされる淫靡な快楽(下着を汚さないようにヌイてくれる)だけが楽しみ。
そんな中、ある大学生が入院してくる。
彼は病棟の閉塞した空気を異常だと言い張り、少年たちに外の世界を知ることを教えようとする。
やがて閉鎖的だった病棟に変化が起こり始めるのだが…。


というストーリー。

結局大学生によってもたらされた変化は一瞬で終わり、また元通りになってしまう。
いや、むしろいったん希望を与えられて奪われたようなものだから、以前よりも状況は悪化したといえる。
でももしかしたら少年たちにとっては、以前の状態でいるほうが幸せなのかもしれない。
などという感じで色々考えさせられて、面白い短編でした。


他の短編も面白く、どこか心に引っかかる(それも少し嫌な感じで)小説ばかりでした。



余談ですが、性器を表す言葉として「セクス」という表現が使われていて、それが何か自分のツボにはまってしまいました。
これからは「チ○コ」ではなく「セクス」というのはどうでしょう。
ま、どうでしょうって言われても困ると思いますが。



死者の奢り・飼育 (新潮文庫)死者の奢り・飼育 (新潮文庫)
(1959/09)
大江 健三郎

商品詳細を見る


顔が覚えられない 

人の顔を覚えるのが苦手です。昔から。

何度も会ってる人ならともかく、一度や二度会っただけの人の顔は無理。
例えその相手に一目惚れしたとしても、きっと顔は覚えていないと思います。

それはきっと顔を見ていないから。
いや、見てるつもりなんですよ。一応。
でも本当に「つもり」なんです。
実際は全然見ていない。
正確に言えば、視界に入ってるけど情報として脳に取り込んでいないという感じでしょうか。

どうなんでしょうね。
皆さんそんなに顔を覚えているものなんでしょうか。
自分は少し変わっているのでしょうか。

別に科学的根拠も何もないんですが、意外に人って他人の顔を見ていないんじゃないかと思うのです。
例えば人を判断する(特定する)時、顔がその主な材料なんでしょうか。
少なくとも自分は違います。
自分の場合、その人の全体的な雰囲気というか、発する空気みたいなもので判断しています。
あと、服装なんかでも結構判断しているかも。
だから、わざわざ顔を上げて見なくても、その人が着ている服の感じがチラッと目に入っただけで、大体誰か判別することができます。
それはもちろん、歩き方やちょっとした振る舞いなんかと合わせて判断しているわけですが。


ただ、そういう判断の仕方をしていると、思わぬ落とし穴があったりします。
それは、その人が普段と違う服装をしていたりすると判別しづらいこと。
裸だったりしたらもう…。

実は以前そういうことがありました。
某所にて、唐突に「前に会ったことあるよね?」と話しかけられたのです。
でも自分は相手のことが記憶にない。
言われてみれば会ったことがあるような気はするものの、ほとんど“気のせい”レベル。
全くピンと来ないのです。
ちなみにその時はお互い裸でした(どういう場所かはあえて説明しませんが)。

あれは一体誰だったのか。
単なる相手の勘違いだったのだろうか。
それとも…。

いずれにせよ、その人とは恐らくもう二度と会わないに違いなく、そう考えると何だか少し切ない気持ちになってしまったのでした。
今後はもう少し顔で認識するようにします。
ま、無理でしょうけど。


あ、そういえば男を見るときもまずカラダから見るなぁ。
それはあんまり関係ないか。

魔女っ子東子ちゃん 

古内東子3年ぶりのニューアルバム『IN LOVE AGAIN』を買いました。

ここのところリリースのニュースがなく、あったとしてもトリビュートとかだったので、もしかしたら新作はもう出ないのでは、と心配してた中での今回のアルバムリリース。
そして新たにレコード会社も移籍し、まさに心機一転という今作。


期待以上にいい出来でしたよ。
これぞ古内東子的な曲もあれば、新しい挑戦を感じさせる曲もあり。
彼女の場合一曲一曲が長いので、13曲という曲数は多い感じがするんですが、それほどダレることもなく、最後まで一気に聴けます。
そしてまた最初からリピートしたくなる。


まず1曲目がバラード(「歩幅」)という時点で驚かされます。
しかもこれがまたシングルカット出来そうな名曲。
まるで「生半可な気持ちで聴くんじゃないわよ!」と叱咤されたかのようなオープニング。
リスナーとしても自然と気合いが入るというものです。

もちろんその後も良質なポップスのオンパレードで、これでもかとばかりに古内東子の歌世界を堪能できます。
彼女のアルバムをあまり聴いたことのない人は、彼女の曲というとバラードのイメージが強いかもしれないんですが、実際は結構バラエティにとんだ選曲だったりします。
今作においても、ラテンもあれば、ハウスもありますし。
古内東子という人は、そういう色んなジャンルの音楽の取り入れ方が非常に上手い気がします。
センスがいいというのか。
決して無理してる感じがなく、本当にさらっと自分のものにしている。
そういう点にも才能を感じてしまいますね。
「何をやっても古内東子」なんですよねぇ。いい意味で。


そして、一般的にバラードのイメージが強いために見過ごされがちな部分ですが、実は彼女のアップテンポの曲も魅力的なものが多いと思います。
今作でいえば「あなたのトモダチ」とか「よくある物語」とか。
もちろん美しいバラードも好きですが、個人的にはこういうアップテンポなものも好み。
昔の曲でいえば「Lighter」(アルバム『Hug』収録)とかも好きでしたし。
今作はその点でもバランスよく曲が並んでいて、先程も述べたように飽きることなく最後まで聴けます。


さて、初回盤に付属のDVDに収録されている「帰る場所はあなた」のビデオを見ていただいたら分かるのですが、今回のPVのテーマは「魔女」。
元々朝よりは夜、白よりは黒が似合うイメージの彼女ですが、ついに魔女の領域に達しつつあるようです。
(PVはコチラ


何やら怪しげな小ビンを手に持ち、呪詛の言葉を吐き続ける東子。
ビンが発光しているのはライティングではなく、自らの魔力によるものでしょう。
そして時折映りこむ小さな熱帯魚は恐らく使い魔。
アップになったときの鬼気迫る目線には注意が必要です。
魔力で石に変えられる恐れが…。
また、間違っても「アイメイク濃すぎじゃない?」などと言ってはいけません。
東子の呪いがかかります。

このビデオもすごくよかったので、ぜひDVD付き初回盤を購入されることをおススメします(在庫があるのか分かりませんが)。



IN LOVE AGAIN (DVD付)IN LOVE AGAIN (DVD付)
(2008/10/15)
古内東子

商品詳細を見る


↑ジャケ写もちょっと怖い…。



冗談はさておき、このアルバムは本当によかったです。
いかにも彼女らしい作品でありながら、着実な進化も感じられて。
長く聴き続けられそうな作品に出会えました。

瞳 in ママさんバレー 

この間奈良に行った時、らーじさんからあるものをいただきました。
それはあの黒木瞳主演の、『ママさんバレーでつかまえて』というドラマのDVD。

黒木瞳といえば、あのFNS歌謡祭で毎年誰も望んでいない「瞳オンステージ」を勝手に繰り広げるなど、当ブログでも何かと注目してきた存在。
そんな彼女主演のコメディー、しかもあのNHKで放送されたということで、かなりお寒い内容になっているのではないかと、ある意味期待して観てみました。

ところがどっこい、意外にも面白かったのです。
ま、思ったよりはというレベルですが。

それでも一人で観ながら思わず笑ってしまったところもあったし、それなりによく出来たコメディーだったのではないかと。


ここで簡単にあらすじを。

黒木瞳が「ひとまわり年上のラブラブ新妻」役に挑む
まったく新しいシチュエーションコメディー!
地元スーパーのバックアップで作られた弱小クラブバレーボールのママさんチーム「マミーズ」。キャプテンである姐御肌の鈴子(黒木瞳)を筆頭に、多彩なキャラクターのママさん選手が揃う。成績アップのテコ入れ策として、恩師であるお婆ちゃんコーチを招いた鈴子だが、ひょんなことから若いイケメン男性(向井理)が登場。俄然やる気を起こしたママさん選手たちだが、なぜか鈴子だけは困り顔。それもそのはず、実はこのイケメン男性と鈴子は、みんなには内緒の“ひとまわり年の離れた正真正銘の夫婦”なのだ!!(公式サイトより)




このマミーズが解散の危機に立たされると思い込んだ瞳たちが、何とかそれを阻止するための秘策として、スーパーの宣伝歌を作るんですね(宣伝すりゃ社長も考え直してくれるんじゃないかという狙い)。
それを歌うシーンがすごく面白い。
歌詞もところどころ間抜けだし、瞳のセリフの部分もどこかズレてる感じが笑いを誘うのです。
でも一番良かったのは、間に入るラップ。
早口だからという理由でラップ担当にされた、万引きGメンのオバちゃんのソロパートなんですが、意外に上手いの。ラップが(笑)。
ああいうのは、たどたどしかったら全然面白くないので、きっと練習したんでしょうねぇ。


他にも、瞳の携帯の着信音がバレーボールを床につく音だったり(ちょっと吉本新喜劇っぽい)、番組の間のCMにスーパー吉田のCMを入れてみたりだとか(NHKなので本当のCMは入っていない)、そういう小技みたいなのもよかった。

キャスティングもよくて、結構みんなハマり役だったような気がします。
一人をのぞいては。

たった一人。
そう、瞳をのぞいては(笑)。


いや、頑張ってはいました。瞳も。
一生懸命コメディエンヌとして最後まで演じきってはいたのです。

しかし、いかんせんあの発声。
ヅカ出身者独特の、あのお腹から声を出す発声法が、全てのセリフを上滑りさせていくのです。
ただこれはもう、恐らく身にしみついたものなのでしょう。
きっと瞳自身にもどうしようもない、いわば不可抗力のようなもの。
そう考えると、まだ目をつぶれる範囲と言えるでしょう。

ただもう一つ致命的な欠点があったのです。
それは、瞳が全くジャージの似合わない女であったということ。
ママさんバレーに見えないったらありゃしない。

昔『8時だョ!全員集合』でゲストがコントに参加した時に、ジャージ姿になったりしてませんでしたっけ?
何となくそれを思い出してしまいました。
着せられてる感じ?
他のメンバーが結構ジャージが似合ってただけに、瞳の違和感が目立ってしまっていました。

つまり瞳はミスキャスト…。


しかし改めて考えてみると意外にこれぞという女優も思いつかす、もしかしたら消去法で考えると瞳しか残らないのではという驚愕の事実に思い至る今日この頃。

皆様ももし再放送などがあれば、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

ご旅行は計画的に 

昨日は友人と京都散策へ行ってきました。

そう、先週奈良へ行ったばかりだというのに。
我ながらアクティヴだわ…。
どちらかというと出不精なのに。
こりゃ天変地異の前触れかも?!(自分で言うのも珍しい)


さて、11時前ぐらいにJR京都駅に着いた我々。
今回は特に深く下調べせず、ブラブラ適当に京都の風情を感じる散歩にしようという目論見。
しかしその考えが甘かったと思い知ることは、その時の我々には予想すら出来なかったのでした。


とりあえず駅で周辺の地図を手に入れ、何となく興味を惹かれた渉成園(しょうせいえん)というところへ行くことに。

ここは良かったです(詳しい説明はコチラで)。


まあ、うだうだ説明するよりは写真を見てもらったほうがよいかと。
といいつつ例によってあんまり上手く撮れてなくて、少ないですが…。


渉成園1

渉成園2

渉成園3

渉成園4


庭園の景色はそれはそれは素晴らしく、適度に自然を堪能しつつ、古い建築物なども鑑賞できます。
もちろんあちこちに植わっている植物も素晴らしい。
中には朽ち果てた(?)巨大な古木などもあり(写真4枚目)、どこか異世界に迷い込んだかのような不思議な気持ちになれました。
他にも池には到底高価なものとは思えない地味な色の鯉がいたり、鴨やサギらしき鳥がいたり、手軽に自然が楽しめる感じがグゥゥ~~!(エド・はるみっていたねー、そういえば)

そしてこれは結構重要なポイントなのですが、ポツリポツリと一人で来ている若い男子がいるのです。
昨日は約2名いたのですが、どちらもなかなかのイケメン。
特に帰り際に会ったスーツの彼は、米倉利紀っぽい美男子(イケメンというよりもこの表現がぴったり)だったのです。
なぜ彼らは一人でこんな場所にいるのだろう…。
彼女とデートでくるならまだしも。
よほどの歴史好き、あるいは京都好きなのか。
そんな疑問が脳裏をよぎりつつ、彼らの知的な雰囲気に心惹かれるオカマが二人。
その熱い視線を浴びすぎて、体調などを崩してなければいいのですが…。


この渉成園、入園の際に500円以上の寄付金が必要なのですが、そんなこんなで完全に元が取れた感があり、大変満足した我々でした(500円では罰が当たるかも。逆に)。



そして渉成園を後にした我々は、ブラブラと歩いて駅前方面に戻って昼食をとり、その後駅前にある京都タワーのお土産屋やダイソー(ええ、あの100円ショップです)を冷やかし、これまたブラブラと歩いて友達の知ってるアンティーク家具屋に行き、またまたブラブラと歩いて古本屋により、そこで2人合わせてCD1枚とマンガ1冊(計158円)を購入し、帰途に着いたのです。


え、それだけかって?
ええ、それだけですけど、何か。

だって。

だって。

京都駅周辺って、意外に何もないんですもん。


もっとブラブラ歩いてるだけで、「これぞ古都」的な風情ある町並みを堪能できるかと期待していたのに。
ほら、あんなところにも風情ある建築物が、的な。

京都の力を過信してたわ…。


まあ、ちゃんと下調べしなかった我々が悪いんですけどね。

そう、京都は何も悪くないの。
悪いのはわたし達の方だわ。
京都にさえ行けば何とかなると思い込んでいた、わたし達が…(なぜかオネエ言葉)。


でもいいの。
先述の古本屋で、前から欲しかったけどいまいち買う気が起きなかった宇徳敬子の『砂時計』が見つかったから。
それも105円で。
満足満足。



それにそもそも、一緒に行った友達っていうのが元々すごく話しの合う人でね。
一緒にいると文字通り尽きることなく話が出てくる感じで。
だから楽しかったんです。ホントに。

ま、京都でなくてもよかったのではという意見もあろうかと思いますが。
それを言ったらおしまいってことで。



では、これから京都にでも旅行に行こうと思っている方に、最後に一つアドバイスを。
京都に行けば何とかなるという甘い考えは決して持たないように(笑)。

■顔に降りかかる雨 

『顔に降りかかる雨』 桐野夏生

親友のノンフィクションライター宇佐川耀子が、一億円を持って消えた。大金を預けた成瀬時男は、暴力団上層部につながる暗い過去を持っている。
あらぬ疑いを受けた私(村野ミロ)は、成瀬と協力して解明に乗り出す。二転三転する事件の真相は?(引用)




一般的にミステリに分類される作品を主に書いている桐野夏生なんだけど、実は謎解きとか犯人探しをメインに書かれたものはあまりないと思われます。
まあ、そういうのは本格とか新本格と呼ばれる範疇に入るのかもしれませんが。

そんな桐野作品の中で、探偵が珍しく犯人探しをするパターンに当てはまってるのが本作。
江戸川乱歩賞受賞作だし。

とはいえ、やはり桐野夏生。
決して犯人探しがメインではなく、主人公・村野ミロの内面とか人間関係が主に描かれている。
と少なくとも自分は感じる。
成瀬に惹かれていくミロの気持ち。親友だけどどこか競い合う部分もあったミロと耀子の関係。

それは、全編ミロの一人称で描かれていることによる部分も大きい気がします。
もしかしたらそういうパターンって、探偵小説としては珍しいのかも?
だって、探偵の一人称ということは、文中に出てくることがその探偵が知ってる情報の全てということじゃないですか。
少なくとも自分が昔読んでた、いわゆる新本格といわれる小説ではそんなパターンはなかったような気が(いや、曖昧な記憶だし、そんな語れるほど読んでないんですが)。

探偵とは別に謎に迫ろうとするサブキャラ(ワトソン的な)がいて、大体その人目線で物語が語られたりするんですよね。
で、実は探偵は既に色々な謎を解いていて、最後にみんなの前でそれを披露する、みたいな。

ちょっと話が脱線気味ですが、とりあえず本書はその手のパターンではないということです。
探偵であるミロ自身、最後の最後まで真相はきっちり把握してなかったですから。


そしてこのミロという女が、ちょっと探偵らしくない。
カッコいいんだか何だか分からないのです。
特別卓越した推理力を発揮するわけでなし、かといって悪い奴らと格闘してバッサバッサとなぎ倒すようなこともない。
結構出し抜かれたりするし、推理もどこか抜けている。
だけど、友人を失って泣いたり、脅しをかけられて恐ろしさに震えたりするミロという主人公は、どこか人間臭くて魅力的なのです。

その辺りがこの本の面白さに直結しているような気がしますね。



顔に降りかかる雨 (講談社文庫)顔に降りかかる雨 (講談社文庫)
(1996/07)
桐野 夏生

商品詳細を見る


■コンビニのレジから見た日本人 

『コンビニのレジから見た日本人』 竹内稔

日本で最もポピュラーな小売業を通して見えてくる、現代の日本人の本当の姿。
わたしたちはどう変わり、何を失ってしまったのか?
お客の「もっと便利に」、というわがままに応える形で成長してきたコンビニ。勢い、その店内では、お客は自由気ままに振舞う。本音が出る。
そこで見えてくる、現代の日本人の本性。
この本に出てくるお話は作り話でも、おとぎ話でも何でもない。過去3年間に、現実に私の目の前で起きたことである。それもごくごく普通の日本人が引き起こした。
平凡な日常の中にある、驚天動地、阿鼻叫喚の世界へ。
「いらっしゃいませ。こんにちは」(引用)




たまには小説以外の本の紹介でも。

新聞の書評欄で見かけ、コンビニバイト歴の長い自分としてはどうしても気になってしまい、買いました。


読んでみてまず思うのは、「あー、あるある」ということ。
この本には色んな客の事例(ほとんどが非常識な振る舞いについて)が紹介されているんだけど、どれも自分が実際に体験したようなことばかり。
恐らくコンビニで働いた経験がある人なら共感できるはず。

自分が落として破損させたくせに、片付けようともせず、商品を買い取ろうとしない客。
道などを尋ねてくる際に、平気でタメ口をきき、しかも礼すら言わない客。
レシートをカウンター上に捨てる客(もっとひどいのは買い物カゴに捨てていく)。
代金や商品をカウンターに投げ落とす客。

もしかしたらこの本を読んだ人の中で、ここに書かれていることが大げさ、あるいは特殊な事例だと思われる方もいるかもしれない。
でもそんなことは決してありません。
こんなの日常茶飯事です。


これは少し極端な言い方かもしれないけど、コンビニの店員はある面で人間扱いされていないと思う。
ある程度レジに立っていると分かるんですが、一部の客はこちらが人間だと思っていない節がある。


レジで平気で暴言を吐く客もいる(見知らぬ人によくあんなことが言えるもんだと思う)。
通路で作業していてカバンなどをぶつけられ、謝られたことなんて一度もありません(もちろんこちらに非があれば別ですが)。

接客するロボット。それがコンビニの店員。
被害妄想っぽい言い方ですが、ある側面ではそれが現実なのです。

そういう日常を送っている自分には、この本は共感する部分が多かった。


ただ、だからといってこの本が面白かったかといえば、そうは言い切れなかったりする(笑)。

まず本書の内容が、コンビニ店員の愚痴レベルの域を超えていない気がする。
さっき挙げたような事例から、現代の日本人の歪んだ部分を浮き彫りにするというのが本書のテーマだと思われるが、読み終えて頭に残るのは「こんなおかしな客がいた」「こんな腹の立つ出来事があった」ということがほとんど。

もちろんそこから一歩踏み込もうと努力している様子はうかがえるのだが、何分底が浅い印象はぬぐえない。
例えば、最近の男性客が女性化し、買物するのにあれこれ吟味するので時間がかかるということを批判的な口調で語っているくだりがあるのだが、一体それの何がそんなに不満なのかよく分からなかったりする。
別にいいやん、色々ためつすがめつ吟味したって。
そんなことを批判される筋合いはない。
正直、何様だと思った。


そして自らが男権論者であると前置きした上で始まる女性論が、これまた陳腐。
今どき女は愛嬌さえあれば幸せになれるだなんて、あまりに前時代的だし、女性に対して失礼なのでは。
いや、もちろん分かる部分はある。
愛嬌はないよりもあったほうが全然いいし、本人にとっても損はないということも。
分かるんだけど、何か極端な感じがしてしまうのだ。


そういった部分が時折顔をのぞかせており、個人的に読んでいてあまりいい印象は持てなかった。


ただ、コンビニの客(というか日本人)のモラル低下の現実を世間に知らしめるという意味では、面白い本だったといえるのかもしれない。



コンビニのレジから見た日本人コンビニのレジから見た日本人
(2008/06/24)
竹内 稔

商品詳細を見る


■神々のプロムナード 

『神々のプロムナード』 鈴木光司

もうおまえとは暮らせなくなった――日曜日の夕方、テレビも点けたままの状態で姿を消した松岡邦夫。妻の深雪に相談された友人の村上史郎は、邦夫を捜し始めた。
すると続発する不可解な失踪劇との関連性がちらつく。その陰にはある新興宗教組織の存在が……。
世界を混沌の淵へとみちびくミステリー大作。(引用)




最初に言っておきますが、今回の記事は若干ネタバレ気味な表現を含みます。



うーん、面白いかどうかと言われれば面白いんだけど、手放しにそうは思えなかったというのも事実。
はっきりいって結末が気に入らないんですよねぇ。

ある日曜日の夕方、さっきまでテレビを見ていたはずの夫・松岡邦夫が突然いなくなり、妻・深雪と夫の友人・村上史郎が協力して行方を捜す。
そのうち、その失踪にある宗教団体が絡んでいることが分かり、その信者でもある有名タレントの加納諒子も同じ時期に失踪していたことが判明する。
どうやら2人は、その宗教団体内部の内紛に巻き込まれたらしい…。

このあたりの展開はすごくスリリングで面白いし、サイドストーリーである深雪と史郎の関係が深まっていく様子もごく自然に挿入されていて、特に本編の邪魔になることもなく、かえって物語に深みを与えている。
最後の最後まで真相が全く見えてこないのもよかった。


だけど、やはりこの結末はどうも受け入れられない。
なんで最後に、宗教団体及びその代表者である北島慶介が、いかにも素晴らしい団体もしくは人物であるという、深雪の主観で終わるのか。
それだったら史郎の見方についても言及するべきでは…。
この2人が物語の中心的存在だったのだから。

恐らくこの小説は謎を解くだけのミステリではなく、深雪という女性の人間としての成長をも描こうとしているんだろう。
でもそのせいで小説自体の軸がぶれてしまっている印象を受けてしまうのだ。
もう少し上手いオチのつけかたがあったようにも思えるんだけどなぁ。

その辺り、惜しかったなぁと思ってしまいました。
9割がたよかっただけに尚更。



神々のプロムナード (講談社文庫 す 30-1)神々のプロムナード (講談社文庫 す 30-1)
(2007/04/13)
鈴木 光司

商品詳細を見る


■作家ってどうよ? 

『作家ってどうよ?』 鈴木光司 馳星周 花村萬月 姫野カオルコ

鈴木光司、馳星周、花村萬月、姫野カオルコ。四人の人気小説家が語る“作家の打ち明け話”。
「カンヅメってつらいの?」「休日は何をして過ごしてる?」「本が一冊出ると、どのくらいお金が入ってくるの?」「“直木賞待ち”って、どんな感じ?」「文学賞の賞金は何に使うの?」などなど、ここでしか読めない赤裸々トーク。
一見華やかそうに見える「作家業」も、いろいろ大変なようで……。作家志望者必読のエッセイ集!(引用)




古本屋の棚でたまたま見つけ購入。
最近こういった、作家がどうやって小説を書いてるのかとか、なんで作家になったのかという裏話的なものに興味があり、思わず手にとってしまいました。
実はこの本に関わっている作家4人のうち、鈴木光司しか読んだことないんですが…(笑)。

ただこの本、そういう小説に関するエピソードだけでなく、普通にエッセイとしても楽しめます。
それぞれの作家さんの趣味的な話も出てきたりするんだけど、わりとどの話も面白かった。

特に姫野カオルコ。
意外に本音をズバズバ書いてらっしゃって、それも自分が共感する、というか普段考えてることに近かったりしたので、読んでて楽しかったです。
小説も一度読んでみなくては。


あと思ったのは、やっぱり自分ゲイなもんで、ノンケの男性作家のエッセイっていまいち共感できないところがあるんですね。
この本だったら特に鈴木光司とかそうだったんですけど、思考が完全にノンケなわけです。当たり前ですが。
ノンケでもどこかしらゲイ的要素を持っている男性作家(実際のセクシャリティの問題じゃなく、あくまで要素)だったらまだいいんですけど、そうじゃない人のエッセイは読んでてあんまり楽しくない。
それを感じてしまいました。

まあ、だからといって面白くないというふうには即断できないわけですが…。


最後に余談ですが、この本のタイトルはどうかと思う。
元々単行本で出た際は『BUNDAN BAR』だったらしいのですが、まだそっちのほうがマシかと。
どうよ?って言われてもねぇ。



作家ってどうよ? (角川文庫)作家ってどうよ? (角川文庫)
(2004/09)
鈴木 光司花村 萬月

商品詳細を見る


ならまち散歩 

さて、久々に普通の日記的な記事でも書きますかね(笑)。


昨日、友人のらーじさんと一緒に、奈良に日帰り旅行に行ってきました。

今回の目的は、ならまち付近の散策。
まあ、旅行といっても街ブラの延長に近いかもしれませんね。


ならまちは昔の平城京の外京にあたる街だそうで、古い建物と普通の近代的な民家が混在する、不思議な雰囲気の街でした。
メインの観光地(東大寺とか奈良公園など)から少し外れた場所にあるため、連休初日にしてはそれほど人も多くなく、ある意味穴場的な存在なのかもしれません。


お昼時にJR奈良駅に着いた我々は、まずどこかで腹ごしらえをすることに。
ならまちの常連であるらーじさんの話によると、ならまちの中には飲食店が少なく、あっても混雑が予想されるということだったので。
駅近くの商店街のうどん屋さんで少し早めの昼食をいただきました。
ちなみにそこのうどん屋さん、定食とは思えないほどうどんの量が多くかなり満腹になってしまいました。
良心的といえば良心的なのですが、満席の店内を見ていると間違いなく元は取れているはずと確信でき、納得がいくというものです。


せんとくん
こちらはあまり住民から納得されていないせんとくん



さて、腹ごしらえも終わり、早速ならまち散策へ。
ならまちといえば有名(?)なのが「身代わり猿」と呼ばれるもの。
災厄を代わりに受けてくれるお守りみたいなもので、あちこちの家の玄関先などにつるしてあります。


身代わり猿
何事もやりすぎると少し怖いという一例(これは民家ではありません)



そして気を取り直して「奈良町資料館」に向かう我々の前に、謎の集団が現れました。
見た目はごく普通の、その辺にいるオバちゃん(もしくはお婆さん)なのです。
普通にどこかかから観光に来ている、オバちゃんたち。
しかし、彼女達の手にはやたらごついカメラが…。
カメラに詳しくない自分にはよく分かりませんが、もしやあれが一眼レフとかいうやつでは。

その一眼レフ集団、動きからして一般人とは違っていました。
とにかく撮って撮って撮りまくっている。
しかも角度まで色々工夫して。


一眼レフ婦人会
一般人ではありえない角度から身代わり猿の列を激写するオバちゃん(左下)


こ、このババァ(失礼)たちは一体…。
とりあえず「一眼レフ婦人会」と彼女達を名づけることにした我々。
もしかしたらどこかのスパイだったのかもしれません。
とにかくあの動きは只者ではなかったことをここに記しておきます。


肝心の奈良町資料館ですが、なかなか味わい深いものでした。
中は撮影禁止なので写真はないんですけど、日本一大きい大皿なるものも展示されていましたし。
ただ、そんな貴重なはずの大皿に、説明書きが直接セロテープで止められていたのには度肝を抜かれましたが。

あとは、日本を代表する文豪達の直筆の原稿とか。
夏目漱石やら三島由紀夫やら志賀直哉やら、とにかくありとあらゆる文豪たちの直筆原稿が展示されていました。
なぜここに…、という疑問を持ちつつも、そのすごさに圧倒されてしまいましたよ(どうやら複製らしいが)。

あ、他にも堂○剛のサインも展示されているので、ファンの方はぜひ。



次に向かったのが「ならまち格子の家」
ならまちの伝統的な町家が再現されたもので、風情があってよかった。

格子の家
ここにもいた一眼レフ婦人会



その後「ならまち振興館」にて親切なボランティアのおじさんに色々見どころを聞いたりして、次の目的地「今西家書院」に向かったのでした。

この今西家書院、すごくよかったです。
室町時代の書院造の建物として重要文化財に指定されているそうですが、その中で飲み物をいただいたり(もちろん有料ですが)、普通にくつろぐことが出来るのです。
しかも庭が綺麗。
今の時期でも十分楽しめますが、紅葉の季節だったらなお良かったかも。


今西家書院1

今西家書院2


途中から客間で何やら会合のようなものの準備が始まり、ますます親戚の家に遊びに来たような気分が高まってしまいました。
ここは結構おススメかも。


その後もブラブラしつつ、一応メジャーどころである奈良公園付近にも行きましたよ。
鹿せんべいもあげましたし。
それにしても鹿と一口に言っても、色んな奴がいるものですね。
欲望を剥きだしにしてこちらに向かってくる泉ピ○子のような鹿もいれば、鹿せんべいを見せても微動だにしない仙人のような鹿もいる。
人間社会の縮図を見る思いでした。

そんな中、ある疑問が…。
鹿せんべいを売っているオバちゃんの周りに、鹿が集まってこないのです。
その辺を歩いている人間には鹿せんべいをねだるくせに、普通に小さい台の上に積んである鹿せんべいには見向きもしない。
なぜ…。

恐らくオバちゃんが睨みをきかせているのでしょう。
本能的に鹿に食物連鎖における上下関係を悟らせる何かを発しているに違いありません。


鹿せんべい売り
意外にハードな仕事なのかも



そうこうしてるうちにいつの間にか夕方になってしまい、帰途に着くことにしたのでした。



面白かったです、ならまち。
そんなに田舎という感じではなく、冒頭でも言いましたけど、普通の民家と昔の町家が混在している。
ちょっと遠目の散歩、みたいな楽しみ方をするにはちょうどいい街でした。


奈良公園

五重塔

■OUT 

『OUT』 桐野夏生

深夜の弁当工場でパートとして働く主婦・雅子。ある日、パート仲間の弥生が日ごろの暴力に耐えかね、夫を殺害してしまう。それを知らされた雅子は同じくパート仲間の主婦達と共謀し、隠蔽のため死体をバラバラにして生ゴミとして捨ててしまうことにした。死体を自分の家の風呂場で解体するという行為の背徳感に恐怖しつつ、その行為は雅子の中の何かを目覚めさせる。
やがて彼女達の秘密が思わぬところから漏れ始め、事態は思わぬ方向へ向かうのだった。




久しぶりにというか、これが出た頃に読んで以来初めて、再読してみました。

桐野夏生といえば『OUT』というぐらい、間違いなく彼女の代表作。
この小説は出た当時、とにかくセンセーショナルな小説として騒がれていましたよね。
四人の主婦が協力して死体をバラバラにするという内容、そしてそのリアルな描写は確かに衝撃的なものでしょう。

ただ、読んでみると分かるのは、それはこの小説の表面的な部分でしかなく、実際に描かれているのは心の闇。
殺すことでしか女を愛することが出来ない男・佐竹。普通の主婦でありながらそんな佐竹にどこか共鳴してしまう雅子。
彼らの心の闇がこれでもかとばかりに描写された小説がこの『OUT』なのです。


この小説は大きく3つの部分に分けることができます。
まず弥生が夫を殺害し、雅子たちが死体をバラバラにするまで。
次に、その秘密を知った雅子の旧知・十文字に持ちかけられた、死体を解体して処分する闇の仕事を始めてから。
そして、その間の雅子や仲間の心の動きを描きつつ、ひょんなことからバラバラ事件の犯人に仕立て上げられそうになり、復讐のためにそれまで押し殺してきた自らの残虐な本性を目覚めさせてしまった佐竹の背景を絡ませていく。

その辺りが非常にテンポよく、しかも丁寧に描かれているもんで、どんどん物語の世界に引き込まれてしまうのでしょう。


それにしても見事なのは、各キャラクターの人物像。
ヨシエにしても邦子にしても、「ああ、こういう人っているなー」と思いますもん。
特に邦子みたいな自堕落な女(太っていて見栄っ張り)なんて、その辺にゴロゴロいそう。
で、彼女達がいかにもそういう女がするだろうなと思える動きをするわけですよ。
そういう部分も、この小説のリアリティーを倍増させている要因なんでしょうね。


ただ衝撃的なだけじゃなく、深い作品でした。
今読み返しても、とんでもなく面白かったです。



OUT(アウト)OUT(アウト)
(1997/07)
桐野 夏生

商品詳細を見る


久々のトライセラ 

古内東子がエイベックスに移籍したということは前に書いたんですけど、最近知ったんですが、TRICERATOPSも同じくエイベックスに移籍したんですね。
しかも同じtearbridgeというレーベル。

だからというわけでもないんですが、そういえば最近トライセラ聴いてなかったなぁと思い、出たばかりのアルバム『MADE IN LOVE』を試聴してみたところ、よさげな感じだったので思い切って購入してみました。
ちょうどCD屋のポイント1000円分溜まってたというのもあったのでね。


MADE IN LOVE(初回限定盤)(DVD付)MADE IN LOVE(初回限定盤)(DVD付)
(2008/10/08)
TRICERATOPS

商品詳細を見る




買ってよかった。
相変らず和田唱の声はカッコいいし、メロディーも綺麗。
しかも今回のアルバムのコンセプトは「踊れるロック」ということで、どの曲も自然に体が揺れる感じ。

特にシングルにもなった「LOONY'S ANTHEM」はめちゃくちゃキャッチーでカッコいいですよ。
今までのトライセラにありそうでなかった革新性を感じます。



「FUTURE FOLDER」




「LOONY'S ANTHEM」




あー、それにしても最近こんな記事ばっかりで、日記っぽいのが少ないな。
ま、また気が向いたらそういうのも…。

って、別に誰も期待してないと思いますが(笑)。

フォーエバーソング 

秦基博くんのニューシングル「フォーエバーソング」、早速買ってきましたよ。
もちろん初回限定盤。

本当は明日発売なんですけど、まあ店頭には1日前に並びますから。


今月末にはアルバムが出るということで、それほどセールスは伸びないんじゃないかという不安もありつつ、曲の良さに一安心。
何というか、いい意味で王道な感じ(あえて悪く言えばベタ)。

売れ線っていうんですかね。
とにかく爽やか。
今の時期よりも初夏の方が似合うんじゃないかと思うぐらい。


ま、ヘタクソな説明しても埒が明かないので、ココでPVを試聴してみてください。


ちなみにカップリングには荒井由実のカバー「晩夏(ひとりの季節)」、ヱビスビールCMソングである「第三の男」、1stアルバム『コントラスト』収録の「トレモロ降る夜」のアコースティックバージョンも収録されています。
ユーミンのカバー、思った以上によかったですよ。
サビのファルセットの部分とか、ゾクッとしてしまいました。
よっ、カバー上手!(酔っ払いか)


さて、この次はいよいよアルバムですね。
初回盤はボーナストラック3曲(一青窈に提供した「空中ブランコ」のセルフカバーなど)+2008年の全シングルのミュージックビデオなど収録のDVD付きってことで、今からとても待ち遠しいです。



フォーエバーソング(初回生産限定盤)(DVD付)フォーエバーソング(初回生産限定盤)(DVD付)
(2008/10/08)
秦基博

商品詳細を見る


■ゴールデンスランバー 

『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎

パレードの真っ最中、首相が爆弾で暗殺されるという大事件が発生する。友人・森田森吾に呼び出されてその現場近くに居合わせた青柳雅春は、何が何やら分からぬままに、その犯人に仕立て上げられた。そこから3日間に及ぶ青柳の逃亡が始まる。
果たして青柳は逃げ切ることができるのか。そして青柳を陥れたものの正体とは…。




この小説はすごいわ。
半分ぐらい読んだところでそう思った。
そして結末まで読んだところで、傑作に認定しました(笑)。

これまで読んだ伊坂作品ももちろん面白かったけれど、この作品はそれらを超えた力を持っていると思います。
それは読者の心を揺さぶる力。


マスコミや警察が作り上げた情報によって、国民全体の意思が扇動されて起こる大きな流れみたいなものに個人が押しつぶされる怖さ。
それは前に紹介した『魔王』で描かれたものと似ているかもしれません。
そして同じく前に読んだ『グラスポッパー』で描かれていた暴力的な空気も、この小説は持っている。

恐らく著者が書きたかったその2大テーマ(勝手に決めつけてますが)を合わせた、いわば言いたいことを思いっきりぶつけた、集大成的なものがこの『ゴールデンスランバー』なんでしょう。
そういうエネルギーが読んでてすごく伝わってきて、それが心を揺さぶるほどの感動を呼ぶのだと思うのです。


そして、登場するキャラクターたちの何と魅力的なことか。
主人公である青柳はもちろん、彼の昔の彼女である樋口晴子。
結果的に青柳を事件に巻き込むことに加担してしまったことを悔やみ、何とか青柳を逃がそうとした大学時代のサークル仲間・森田。
同じくサークルの仲間で後輩のカズ。
彼らはみんな青柳の人柄を知っていて、根拠なんてないのに彼は無実だと信じ、そして彼の逃亡を何とか手助けしようとする。
他にも「え、この人が」と思うような人が救いの手を差しのべてくれたり。

青柳は、言ってみれば普通の人だと思うんですよね。どこにでもいそうな。
普通に優しいし、普通に周りの人間に愛されていて、本当に普通に生きている。
だからこそ必死で逃亡する彼に、読者もシンパシーを感じるんだろう。
そして、その彼を助ける幸運の数々についても、決して「えー、そんな偶然あるわけないやん」などと思わずに、「よかったよかった」と安堵することができるのだと思う。



それにしても面白かった。
作品全体に漂う不安感(青柳が必死で逃亡する様子とか、目に見えない巨大な力が空気のように周りに立ち込めてくる息苦しさ)に、まるで読んでるこちらも追われているかのように必死でページをめくる感じが妙に心地よく感じられて、本当に一気に読んでしまいました。

久しぶりに無性に人に勧めたくなる小説に出会えた気がします。



ゴールデンスランバーゴールデンスランバー
(2007/11/29)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


ガンダム00 セカンドシーズン 第一話 

いよいよ始まりましたね、ガンダム00・セカンドシーズン。

とりあえず第一話目ということで、人物紹介程度で終わるかと思いきや、意外に話を進めてくれてよかったです。

まず見て気になった点を箇条書きで挙げてみますと…



・ルイスはやっぱりMSのパイロットになったのね。

・沙慈の環境がめまぐるしく変わりすぎ。

・ティエリアがいい人っぽくなってしまってつまらない。

・セラヴィーガンダムの火力がすごすぎて笑える。

・今シーズンのロックオンの正体が早々と明らかに。

・ラッセがよりカッコよくなっていた。

・刹那から子供っぽさがなくなった。

・仮面の男の正体は誰がどう見てもあの人なのだが、隠す意味はあるのか。


などなど。


他にもリボンズとルイスの関係も気になるし、今回全く出てこなかったアレルヤの動向も気になりますね。
あとコーラサワーも。
あ、シーリンが女っぽくなってて、ちょっとドキッとした(ゲイなのに)。
服装は全然前よりも男っぽいぐらいなんだけど、話し方とかにそこはかとなく色気が。
元々好きなキャラだけに、今回は活躍して欲しいなー。


今はそんなところですかね。
ちゃんと録画してあるので、第二話目の放送までにもう一度見直しておこうと思います。


ではでは。

■群青の夜の羽毛布 

『群青の夜の羽毛布』 山本文緒

家族っていったい何でしょうね?たまたま血が繋がっているだけで、どうして一緒に暮らしているんでしょう。
丘の上の一軒家に住む女三人。家族とも他人ともうまく関係を結べずにいる大人になった長女と、その恋人をめぐって、母親の憎悪、心の奥底に潜めた暗闇が浮かびあがる……。
恋愛の先にある幸福を模索した、傑作長編小説。(引用)




これまで数冊山本文緒作品を読んできて、ハズレらしいハズレはなかったけれど、今回は初のハズレだった気が(笑)。

その大きな要因として、登場人物に共感するポイントが最後まで見つからずじまいだったことが挙げられる。

厳格な教師である母親に厳しく教育され、時には折檻(というより暴力か)を受けてまでなお、母親及び家族から離れることが出来ない長女・さとる。
姉や母親を馬鹿にしながらもやはり家を捨てることが出来ない次女・みちる。
高潔で娘たちを自分のコントロール下に置くことしか考えていない母親。
さとるの彼氏・鉄男。

どのキャラにも感情移入できなかった。
特に娘たちなんて、そんなに母親が嫌ならさっさと家を出ればいいのに、などと思ってしまう。
もちろん父親のこととかもあるだろうし、母親に対してどこかしら愛情もあるのだろうから、そう簡単にはいかないのかもしれない。
さとるは仕事できない体質だしね。
でもその辺りどうにも共感しづらい。

母親は母親で異常なほど高潔(娘がちょっと門限破っただけでボコボコにするほど)なくせに、娘の彼氏とセックスするというのも、よく分からなかった。
最初に登場したときからこの母親に関しては謎めいた部分があったんだけど、結局とらえどころのないままに小説は終わってしまうし…。


ストーリー自体もいまいちだったかな。
クライマックスは若干盛り上がったけど、特に感動する部分もなく、「ああ、そうなんだ」みたいな終わり方。
題材としては悪くないと思うんだけど、料理の仕方がどうにもとっちらかってしまった印象がある。
まあ、あくまで個人的な感想ですが。



あ、そうそう。余談ですが、体の大きさとチ○コの大きさが比例しないという部分には激しく共感しました(笑)。


群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫)群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫)
(1999/04)
山本 文緒

商品詳細を見る


ご報告 

えーと、一つご報告を。


例の試験の結果が昨日出たのですが、残念ながら不合格という結果に…。


それを知った上での今の心境なんですが、不思議にそれほど落ち込んではいないようです。
もっと落ち込むと思ってたんですけどねぇ。


今後の自分の進む道については色々考えてはおります。
今は何も言えませんが。


皆様にも色々ご心配をおかけしたり、叱咤激励をいただいたりして、本当にありがとうございました。

とりあえず本日はご報告まで。





   はると

■グラスホッパー 

『グラスホッパー』 伊坂幸太郎

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに。「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!(引用)




今まで読んだ伊坂作品の中ではやや異色な雰囲気を持つ小説。
とにかく力強くて、それでいて温かいものを感じる。

その大きな原因は、暴力的なシーンがとことん暴力的に描かれていることではないかと。
正直読んでて気分が悪くなるぐらいに、極端な「悪」として描いている。“令嬢”にしても、寺原親子にしても。

それは伊坂作品の中にこれまで全くなかったものというのではなく(いや、全部読んだわけじゃないんですけどね)、これまでの作品の中にも出てきたものだと思う。
絶対悪的な存在とか。

本作ではそれをとことん描くことにより、鈴木の優しさ、普通っぽさや人間らしさがより際立って感じられるような構図になっている。
そこに温かみを感じてホッとするのだろう。
寒い夜に何か温かいものを飲んだ時のように。


この本の帯に、伊坂本人の言葉として「一番書きたかった小説」というようなことが書かれていたけど、それは何か分かる気がするな。
これまで読んだ彼の作品からぼんやりと感じられたもの(説明しづらいんですけど)を、この小説からははっきりと感じられたから。


ただ、個人的には暴力的な描写はどうしても苦手な部分があって、そのために読みづらさを感じてしまったのも事実。
もちろん読みづらい=面白くない、という意味では全くなく、それを超えた面白さがこの小説にはあるのですが。


タイトルはどこかポップな雰囲気なのに、意外にずっしりした小説でした。



グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)グラスホッパー (角川文庫 い 59-1)
(2007/06)
伊坂 幸太郎

商品詳細を見る


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。