2008.07.03

陰謀

2006年夏、デビューしたばかりの田中ローマが歌番組の楽屋でくつろいでいると、ドアをノックする音が。



「どうぞ」


「ハーイ、初めまして!ユーが今話題のR&Bシンガー、田中ローマくんだね?」


「え、だ、誰あんた?」


「まあ誰でもいいじゃないの。一つだけ言えるのは、ユーなんかよりずっと前からこの業界にいる者ということかな」


「で、何の用?」


「ちょっと質問したいんだけど、ユーはこれからどんなシンガーになっていきたいと思ってるの?」


「ああ、自分ダンスが得意なんで、日本にはまだ少ない歌って踊れる本格派のR&Bシンガーになりたいなぁと思て…」


「ノンノンノン!!歌って踊れるR&Bシンガーだって?!そんなのもう時代遅れだよー!」


「えっ?!」


「そういえばユーはアメリカから帰ってきたばかりだそうだね。だから知らないと思うけど、ジャパンでは踊れるアーティストなんてとっくの昔に廃れて消えてしまったのさ!今どきそんな古くっさいこと言ってるシンガーなんて、ナッシングだよ!」


「ホ、ホンマかいな!?」


「そうそう。だから悪いことは言わないから、ダンスなんて捨てちゃいなよ!」


「うん、そうするわ。オッちゃん、色々教えてくれてありがとさん」


「なーに、未来ある若者を正しく導くのが僕の仕事だからねー!それじゃ、バイバーイ!」


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「ジョニーさん、また一人ライバルを減らすことに成功しましたね」


「フフ、歌って踊れるシンガーなんて、我がジョニーズ事務所のボーイたちだけで十分なのさ。さ、次はビジョンファクトリーに三裏大知潰しに向かうとするか」


そんなセリフを残し、黒塗りの車は静かに走り去った…。







あー、アホらしい。